現代人の不安、不調の原因は「文明化」にあり?感想:鈴木 祐著『最高の体調』

はじめに

※本ブログは書籍を読んだ感想を伝えるものであり、要約によって第三者にわかりやすく伝えるものではありません。よって、所によっては個人的、感情的な表現を使うこともあり見づらいかと思いますが、温かい目で見てもらえると幸いです。

現代人が抱える”ギャップ”

皆さんは何か生活に不満をお持ちでしょうか?不満が全くないという人はきっとブッダの生まれ変わりに違いありません。
多くの人が抱えている不満には肥満、ストレス、不眠、肌の炎症などなど、挙げだしたらきりがありませんね。こういった問題の原因は様々なものが考えられますが、本書では人類の進化と現代のミスマッチ”が大きい原因だと表現しています。

人類はその昔、狩猟と採集によって生活を続けていました。その歴史は600万年ほどで、石器時代から農耕生活へ移行したのは1~2万年前です。
生物はゆっくり、何百、何千万年と時間をかけて進化します。つまり、私たちの体は何百年か前、狩猟採集生活に適した体であるといえるでしょう。

しかし、現代では高度に、そして急速に文明化が進み、私たちの環境を取り囲んでしまいました。
一見便利そうに見える現代の生活も、進化の観点からみると非常に生きづらい状況になっています。

私たちは、理想の暮らしを追い求めるあまり、本当に自分たちが欲しているものを見失ってしまったのかもしれません。

現代の生活を生きる私たちと狩猟採集民の間には遺伝子的な差はほとんどありません。にもかかわらず、私たちを取り囲む環境、文明は全くと言っていいほど違います。その違いは大きく分けて、

・少なすぎる
・多すぎる
・新しすぎる

の3つに分けられます。
それぞれ本書から雰囲気だけでもお伝え出来たらと思います。

少なすぎる


現代人に”少なすぎる”物の中で個人的に重要だと感じたのは「友人」と「自然」です。(本書では「運動」とか「睡眠」などいっぱい紹介されています。)

友人

友人が少ないことに関しては「余計なお世話だ」と感じる人もいると思いますが(僕が友達少ないので僕の感想です)、もっと平たく言えば「人とのつながり」が現代では足りていません。これは、友達が多ければいいというわけではなく、どれだけ深いコミュニケーションを築けているかということです。要は「広く浅く」ではなく狭く深く」が大事ということです。

皆さんは家族、パートナー、親友など身近な人と深いかかわりをもてていますか?今一度ゆっくり考えてみて下さい。大事にするべき人とコミュニケーションをとることよりも、日々の雑事を優先してしまってはいませんか?余計なお世話かもしれませんが、たまには大事な人、大好きな人に電話するのもいいかもしれません。

自然

自然」も現代人に足りていないものの一つです。

「私は毎朝日光を浴びているし、町には樹木や緑も多いし、自然に満ち足りているわ!」という方もいますが(※架空の人物です)、森林の中で狩猟、採集をしていた古代の人々からすると、現代人には全くと言っていいほど自然が足りていません

まぁかといって、今から森の中で自給自足する仙人のような生活をするのは現実的ではないので、週末は公園に行くとか、半年に1回キャンプに行ってみるとか、積極的に自然と触れ合っていきましょう。皆さんも感じたことがあると思いますが、自然にはリラックス効果があります。

また、壮大な自然に触れることは、僕たちに「自分は自然の一部に過ぎないんだ、、、」という気付きを与えてくれます。まぁ物は試し、Youtubeで自然の映像を見ることから始めてみてもいいかもしれません

多すぎる

次は現代人に”多すぎる”ものを紹介します。
本書の中から僕が大事だと思ったのは「塩分」と「価値観」です。(本書の他の例:「摂取カロリー」「アルコール」など)

塩分

この写真、おいしそうな日本食ですね。この記事を読んでくださっている人はおそらく和食を中心に食べているジャパニーズだと存じますが、日本食は塩分が多いイメージありますよね。そのイメージ実は違ってて、、、って言いたいとこなんですが実際かなり多いです(僕も日本食大好きだからショック)。

僕は普段食事管理アプリ(カロ○ル)を使うことがあるんですが、塩分の目標が一日7.5gになってるんです。(男性7.5g、女性6.5g未満が大体の目標:厚生労働省)
これ、1日3食とも和食だったら余裕で超えちゃう。

味噌汁1杯1.5g、塩鮭1切れ2.0gとすると合計3.5g。これだけで女性は一日の塩分目標量の半分以上になってしまうんですね。

「え、無理ゲー?」

まぁこれはあくまで例ですが、意識しないとあっという間に目標量を超えそうだということがわかっていただけたかと思います。味付けはほどほどにして、素材の味を楽しみましょう。

価値観

続いては「価値観」です。
いきなり価値観といわれても広すぎてピンと来ないと思うので、例を挙げると、

・おいしいものを食べる
・健康に長生きする
・みんなに認められる
・お金持ちになる

など、人によってさまざまあると思います。
古代では食べ物を確保して家族や仲間と多くの時間を過ごし、たくさん寝るぐらいしかやることがなかったので、価値観も生きる上で必要なものに絞られていました。

しかし、現代人はより多くの幸せを求め、たくさんの価値観を生み出しました。それを正しく追いかけられていたら良いのですが、欲張って価値観をたくさんを持ってしまうと、優先順位がわからなくなったり、手いっぱいになってしまって本当に大事なものがわからなくなってしまうこともあります。
人間は実に欲深い生き物なのです。

そうならないように自分の価値観ははっきりさせておきましょう。本書では自分の価値観を”見える化”するツールもあるのでぜひ読んでいただきたいです。

新しすぎる

最後に現代人にとって”新しすぎる”物について紹介したいと思います。
個人的に取り上げたいのは「加工食品」と「インターネット」です。(他には「ストレス」や「孤独」などが挙げられています。)

加工食品

加工食品と言ったら皆さんは何を思い浮かべますか?
ポテトチップス?カップラーメン?それとも絶対体に悪いだろ!って色のジュース?
どれもとってもおいしいですよね。お店で並んでいたらついつい手が伸びてしまうという人もいると思います(もちろん僕もその一人です)。

これらが健康に悪いのは(悔しいですが)皆さんご存じかと思います。
ポテトチップスなんかはじゃがいもを薄くスライスした後、揚げたり添加物まみれにしたものです。そんなんはまだかわいい方で、カップラーメンなんかはどんな原料からどうやって作られているのかすらよくわからん、、、。ジュースはなんであんなに鮮やかな色をしているんだ、、、。

こういった加工食品は古代にはもちろんありませんので、体ではうまく分解できないことも多いです。それが体外に排出されるならまだいいのですが、体内にとどまり続けて悪さをする化学物質もあるようです。
また、こういった加工食品は人々の快楽に強く働きかけるように加工してあるので、なかなかすぐにはやめられないのも事実です。

かといって全くとらないようにするのも難しいので、とりあえず加工する前の状態が想像できないものは買わないようにしましょう。

インターネット

はい、皆さん大好きインターネットです。
すみません決めつけはよくないですね。僕が好きなだけです。

とはいえ現代でインターネットを使わずに過ごすなんてほとんど不可能ですよね。(少なくとも僕だったら発狂してコンテンポラリーダンスでもするに違いありません)。
お仕事、勉強、動画鑑賞などネットを使う場面はあげだしたらキリがありません。
その中でも、ネットサーフィンはとりわけたちが悪い。僕たち人類は新しい情報が得られるコンテンツが大好きです。ネットにはほんとかウソかもわからないような情報があふれかえっています。そんな、わけのわからんカオスな情報を惰性で見続けていると、不思議と情報通になった気分になります(※実体験に基づいています)。実際には大した成果の得られていないのに。

まぁ今回も他と同じように最初は簡単なことからで構いません。例えば、ネットサーフィンしていた時間で代わりに読書をしてみる、なんてのもいいかもしれません。「ネットをやめる!」と思うよりも、ネットの代わりに何をすれば楽しく過ごせるかにフォーカスすれば、うまくネットの利用時間を減らすことができると思います。

ネットは使い方が正しければとても便利な存在です。しかし、目的もなくただ時間を浪費しては、あとに空しい気持ちが残るだけです。常に冷静に向き合い、ネットを利用していくことが現代を生きていくコツになってくると思います。

最後に:現代特有の悩みを正しく理解する

現代人は狩猟採集時代とほとんど体や脳のつくりが同じにもかかわらず、文明の発達により、本能とは全くかけ離れた生活を送っているといえるでしょう。その精神的、身体的ストレスはあなたが思っているよりも大きいものなのかもしれません。

大事なのは、現代と古代のギャップを理解し、現代の便利さを享受しつつ、人間本来の働きを害さないような生活を送ることだとこの本を通じて感じました。言うは易し、行うは難し。行動に起すのは簡単ではないですが、そのままではストレスまみれの現状は何も変わりません。

まずはデジタルデバイスの利用時間を減らして、代わりに自然と触れ合う機会を増やすことから始めてみませんか?

もっと詳しく知りたい!という方は、リンクを載せておくのでぜひ本の方も読んでみてください。

↓今回読んだ本

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