はじめに:エジソンの名言を誤解していませんか?
「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」
トーマス・エジソンのあまりにも有名なこの言葉。 多くの人はこれを「才能がなくても、努力し続ければ天才になれる」という美談として捉えています。
しかし、これは大きな誤解です。 エジソンの真意は全く逆で、こう言っていたそうです。
「最初の1%のひらめき(正しい方向性)がなければ、残りの99%の努力は無駄になる」
私たちは普段、この「最初の1%」を無視して、ひたすら「99%の努力」ばかりしていないでしょうか? 思考停止して長時間労働したり、勝てない土俵で戦い続けたり…。
今回ご紹介する本、ひろゆき(西村博之)氏のベストセラー『1%の努力』は、サボるための本ではありません。 「無駄な努力をすべて捨てて、確実に勝てる場所で戦う」ための、極めて合理的な戦略書です。
理系学生の視点で、この本の本質を解剖していきます。
壺に入れた「大きな岩」の話
この本の中で、非常に印象的な「優先順位」の話が出てきます。
ある教授が、学生たちの前で壺を取り出し、大きな岩をゴロゴロと詰め込みました。 「壺はいっぱいか?」と聞くと、学生は「はい」と答えます。 しかし教授は、隙間に砂利を入れ、次に砂を入れ、最後に水を注ぎ込みました。
この寓話の教訓はシンプルです。 「最初に大きな岩(一番大事なもの)を入れないと、後からでは絶対に入らない」
ひろゆき氏はこう指摘します。 多くの人は、「仕事」や「世間体」、「上司の機嫌」といったどうでもいい砂利で人生の壺を満たしてしまい、本当に大切な「睡眠」や「趣味」、「家族との時間」が入らなくなっている、と。
【実践】あなたの「岩」は何ですか?
私の場合は、今の生活における「大きな岩」は以下の3つだけと決めました。
- 大学での化学研究
- フルマラソンへの挑戦(健康)
- このブログの執筆
これらを最優先でスケジュールに入れ、それ以外の「無駄な飲み会」や「見栄を張るための出費」は、砂利として切り捨てる。 「努力しない」とは、「優先順位の低いことをやらない」と決めることなのです。
「片手を空けておく」ことの重要性
あなたは今、スケジュールがパンパンに詰まっていませんか? 「忙しい=充実している」と思っているなら、それは危険信号です。
著者は「片手を空けておく(スラック=余白)」ことの重要性を説きます。
もし両手に重い荷物を持っていたら、目の前にチャンスのボールが飛んできても、掴むことができません。 ひろゆき氏が巨大掲示板『2ちゃんねる』を作れたのも、彼にプログラミングスキルがあったからではなく、「たまたま暇で、面白そうだと飛びつく余裕があったから」だと言います。
理系的に考えると「バッファ」である
これはシステムの話に置き換えると分かりやすいです。 CPUの使用率が常に100%のパソコンは、新しいタスクを入れた瞬間にフリーズします。 人生も同じです。常に努力して余裕がない人は、突発的なチャンスやトラブルに対応できず、結局損をしてしまうのです。
「サボる」のではありません。チャンスを掴むために、あえてスケジュールを埋めないのです。
競争のない「場所」を探す(ポジショニング)
「頑張っているのに報われない」 そう嘆く人の多くは、「みんなが欲しがる椅子」を奪い合っています。
大企業への就職、メジャースポーツでの成功、人気ジャンルでのYouTuber…。 これらはライバルが多すぎて、並大抵の努力では勝てません。
ひろゆき氏の戦略は**「誰も座っていない椅子」あるいは「みんなが座りたがらない椅子」**に座ることです。
- 競争率の高い椅子取りゲームには参加しない。
- 自分にとっては苦じゃないけれど、他人にとっては苦痛なこと(ニッチな分野)を探す。
ブログ戦略も同じだった
私はブログを書く際、「iPhoneのレビュー」のような激戦区には手を出しません。 代わりに、「Temuの怪しい商品を分解してみた」や「マイナーな将棋ゲームの攻略」といった、大手が参入しないニッチな記事を書いています。
これが「1%の努力(正しい場所選び)」です。 場所さえ間違えなければ、99%の汗をかかなくても、結果はついてきます。
努力は「最後の手段」にとっておく
誤解してはいけないのは、ひろゆき氏は「努力するな」と言っているわけではありません。 「努力はエンタメとしてやるもの」であり、生活のために嫌々やるものではないという主張です。
もしあなたが今、「辛いけれど頑張ればなんとかなる」と思って闇雲に努力しているなら、一度立ち止まって考えてみてください。
- その努力は、「大きな岩」のためですか?
- 片手は空いていますか?
- その場所は、競争が激しすぎませんか?
「思考停止した努力」は、自分への言い訳にすぎません。 まずは頭を使って、楽に勝てる仕組み(1%)を見つけること。汗をかくのは、その後で十分です。
まとめ:人生をイージーモードにするために
『1%の努力』は、真面目すぎて生きづらい日本人にとって、肩の荷を下ろしてくれる「解毒剤」のような本です。
「あ、そんなに適当でいいんだ」 「ガチガチに計画しなくても、チャンスって拾えるんだ」
そう思えるだけで、明日からの景色が少し変わって見えるはずです。 頑張りすぎて疲れてしまった人は、ぜひ一度読んでみてください。
おすすめの読み方:家事をしながら「聴く」
この本は、ひろゆき氏が語りかけてくるような口語体で書かれているため、Audible(オーディブル)との相性が抜群です。
私は通学中や、実験器具の洗浄中(!)に聴いています。 「努力せずに」本の内容が頭に入ってくるので、まさにこの本のコンセプト通りでおすすめです。


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